第1回連携授業終了後アンケート調査まとめ
今回の実践は、授業者に自らの授業を振り返ってもらったが、事後のアンケートの結果から、黒衣方式で行う教材開発という方法は、自らの指導法を振り返り、児童生徒の思考の流れに着目して授業構成を深める上で有効な方法であるととらえられていたことがうかがえた。また、それぞれの役割分担をもっと明確にする必要性や、大学講師のかかわり方において多様な解釈が生じていることが確かめられた記述からは、大学講師が行う支援を実際の教材開発に入る前に、メール等でガイドしながら、絞り込んでおく対応が必要であると考えられた。
第2回連携授業終了後アンケート調査及びメール記録まとめ
第1回のアンケートの回答からは読み取れずにいた大学講師の役割が、メール記録では詳述された。大学講師は授業者に対して、メールで質問することで、授業者が「考えていることを表現化すること」を促し、課題を遂行することを促進した。例えば、「実際に地球から見えている感覚を頭の中に描くのが、生徒にとって難しいように感じます」や、「電磁石を作る作業のコイル作りでエナメルを巻く作業にすごく時間がかかり、また、何回巻いたかわからなくなる児童もいて大変だ」は、教師が授業者であり、また児童生徒の実態を知る「観察者」としての考察が挙げられている。また大学講師は、授業者に指導案を作成してもらい、児童生徒に実現させる様々な方法について話し合った。これらは、授業者の熟達化を促すための方略として効果があることがわかった。